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シラノドベルジュラック

◆概要

 1640年ごろのフランス戯曲。作者はロスタン。

 シラノドベルジュラックは実在の人物

 戯曲として何度も講演。日本でも2018年に舞台があった。

 

◆ポイント

 ・登場人物が魅力的

   シラノドベルジュラック

    剣術に優れているだけでなく、詩を書かせても一流。

    ただし、鼻が大きいことがコンプレックスで、よくいじられている。

    とにかくかっこいい。

   ロクサーヌ

    シラノの従妹

    クリスチャンの見た目に恋するも、学のある人が好み

    手紙を読んで、一文一文暗記してしまう感性が素敵

   クリスチャン

    「恥ずかしくて死にたいくらい無学なんです!」 

    この言葉を言えるのが素晴らしい。

    実際、愛していますしか言えない彼は粗野に見える。

 

・文章が美しい

  戯曲であることもあり、非常に美しい文章を書いている。

  原本で韻を踏んでいるのだろう、邦訳でもうまく韻を踏めている。

  訳者は語彙力がないと成り立たないなと実感する。

 

・ストーリーがいい

  書いてしまうとネタバレになるのだが。

  1640年ということもあり、王道のストーリー。

  期待通りの展開になるし、それでも面白いと感じられるほど文章が洗練されている。

  文章力がなく、奇をてらったプロットよりも、美しい文章での王道ストーリーこそ力強いんだと感じる。

 

◆その他

 映画もやっているし、見たいなあ。

 舞台は昨年だったし見られないよね。

 

以 上