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プロタゴラス プラトン

◆概要

  プラトンの対話篇の一つ

  プロタゴラスでは徳は教えられるかがテーマ

 

◆概要

  ソクラテスの質問「徳は教えられるか」

   徳は教えられるか。徳とはどのようなものか議論する。

  プロタゴラスの質問「シモニデスの詩の解釈」

   ソクラテスが問答に値するかシモニデスの詩で試す。

  ソクラテスの質問「徳は教えられるか」

   再度徳の話。プロタゴラスは徳目の中でも「勇気」は別物であるという。

   「勇気」について議論を深めていく。

 

◆ポイント

 ・ソクラテスの態度

  ソクラテスは35歳前後、プロタゴラスは60歳前後。当時、圧倒的名声を得ていたプロタゴラスに対し、何も臆せず質問するソクラテスがかっこいい。後期作品の「パイドロス」では終始穏やかな対話がなされるが、本作ではがっつり討論する。

 ・内容の面白さ

  ソクラテスの話は非常に論理的。しかしながら、論理的に会話していった結果「勇気は知識によって得られる打算的なもの」という結論に至る。この結論が真ならば、徳は教えられるということになるが、これは本当か?

 ・ページの薄さ

  哲学書って読みにくいんだよね。プラトンプロタゴラスは対話篇であるため、読みやすいうえに、ページも薄く、初めて哲学書を読む人にもお勧めできる。なお、プラトンの作品は文学としても優秀と個人的には思っています。

 

◆補足

 ・プラトンの対話篇

  プラトンは著作を対話篇という形で残している。

  主人公をソクラテスとし、相手の名前をタイトルとしている。

  (本作ではプロタゴラスが相手だから「プロタゴラス」というタイトル)

 ・プロタゴラスは当時ソフィストとして有名だった。

  ソフィストとは知識人のことで、人々に徳を教え、政治家にするのを仕事としている。(今でいうオンラインサロンみたいなイメージか?)

  プロタゴラスは当時、絶大な人気のあるソフィストで、講演をすると軍艦2隻分の報酬がもらえたとか。

  相対主義者で有名な言葉を残している

  「人間は万物の尺度である」