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ランニングにおける体重と風の影響について2

◆はじめに

  本記事は、前回の続きです。

  実用性の観点からもう少し考えてみます。

 

bebebebe.hatenablog.com

 

 

◆前回からの追加事項

 前回は向かい風の中で走ったとき体重が重い人と軽い人どっちが有利なの?という疑問に答えました。

 今回は追い風の場合を検討します。

 また、風の吹く中、川沿いの道を往復するという考えでどちらが有利か検討します。

 

◆追い風の場合

  前回の検討から、もともと速度vで走っている人に、風速vwindの向かい風が吹いているとき、速度は減速しv'になるとした。v'の値は以下のとおり。

  v' = v - (k'×vwind) / (k×m+k')  

  さて、これは向かい風を正に取っただけなので、追い風の場合vwindを負に取ればよい。

 

 前回同様に、風の強さとして弱風5m/s、強風10m/sを与える。

 運動の速度として上級者15m/s、初心者10m/sを与える。

 この場合の体重依存性をグラフ化する。

f:id:Bebebebe:20190918184456j:plain

追い風の場合

 今度は逆に軽い人の方が速度が出ている。

 

 以上の話をまとめると、向かい風は体重が重い人有利で、追い風は軽い人有利ということになる。全体としては、有利不利がなさそうに思える。

 

ケーススタディ(河川敷を往復する。)

 本当に有利不利がないか河川敷を往復するケースを考えよう。

 条件として、体重80kgで15km/hで走れるランナーと体重60kgで15km/hで走れるランナーを比較する。

 河川敷の距離は片道5km、風速は10m/sとする。

 

 体重80kgの人は、向かい風のとき13.89km/hで走り、追い風の時16.11km/hで走る。

 従って、向かい風の5kmを走るのにかかる時間は

  5km ÷ 13.89 km/h ≒ 0.360 h = 21分36秒

 追い風の5kmを走るのにかかる時間は

  5km ÷ 16.11 km/h ≒ 0.310h = 18分37秒

 10㎞の往復にかかる時間は 40分13秒 である。

 

 体重60kgの人は、向かい風のとき13.57km/hで走り、追い風の時16.43km/hで走る。

 従って、向かい風の5kmを走るのにかかる時間は

  5km ÷ 13.57 km/h ≒ 0.368 h = 22分6秒

 追い風の5kmを走るのにかかる時間は

  5km ÷ 16.43 km/h ≒ 0.304h = 18分15秒

 10㎞の往復にかかる時間は 40分21秒 である。

 

以上の結果から、若干ながらも体重の重い人の方が有利であることがわかる。

 

 ちなみに無風であれば、

  10km ÷ 15km/h = 0.666666h = 40分

 である。

 (風の有無で20秒しか差が発生しないとは。k'の値が小さすぎたかもしれない。)

 

◆なぜこうなったのか。直感的な理解

 体重の重い人の方が速度の変化が少ない。

 したがって安定して走ることができたと考える。。

 

 極論、10km/hで走る人が、追い風で20km/h、向かい風で0km/hで走ることになったら、いつまでたってもゴールできないことがわかるだろう。

 

◆最後に

 計算のもととしている数式がでたらめなので参考程度に。

 ただし、直感と一致しているのはちょっぴりうれしい。