電気の話
◆概要
電気の基本の話です。
停電とかで電気の話があったので少しボヤキを。
◆なぜこの記事を書くか
簡単に言えば、皆さんに勉強をしてもらいたいからこの記事を書く。
もしくは、自分は電気を知らないのだと自覚してもらいたいからである。
電気工学についてオームの法則くらいは知っているだろうか?
抵抗にかかる電圧は抵抗に流れる電流と抵抗値の積であらわせるという話で
V = I × R
という式であらわされる。正直、この数式を実際に使ったという人は少ないと思う。
これは、それだけ電気工学が発展・成熟しており、ユーザに負荷をかけていない状態であるという証拠である。
一方、ユーザが電気を知らないがゆえに、停電の発生時に理不尽なクレームが多すぎると感じた。クレームをするならば、自分が間違っているのではないかという観点を持ってもらいたい。
◆電池の電気とコンセントの電気
我々が電気として認識できるのは、電池の電気とコンセントの電気くらいだろうか。これらは何が違うのだろうか。
電池の電気は直流というもので、時間によらず一定の電圧がかかっている。
これは小学校、中学校、高校でならう電気であり、直列回路、並列回路、オームの法則で計算できる。
コンセントの電気は交流というもので時間によって電圧が正弦波で変動する。
この電気は計算が難しく、大学になって初めて真面目に勉強する。
(高校ですらまともに勉強しない)
直列回路、並列回路、オームの法則のほか、コンデンサ、リアクトルの話が出てきて、複素平面で物事を考えるようになる。
◆交流の電気の話
電圧が正弦波で変動するならば、電圧がかかっていない時間があるの?
すると機械が止まるんじゃない?と思うかもしれない。
この疑問はごもっともであり実際、機械は止まってしまう。
ならばなぜコンセントから電気をとってくるゲーム機やパソコンは停止しないのだろうか。
これは交流の電気を直流の電気に変換しているからである。
一般に、コンセントの交流100Vは半導体回路を用いて直流24Vに変換している。
この直流を用いて機器を運転しているので、機械を停止しないのである。
◆まとめ
この記事は、かなり雑に書いている。
おそらく、読んだ人は何も理解できないだろう。
(逆にこれで理解できたという人はもともと知っているか、知ったと勘違いしている人だ)
大切なのは、電気工学はバックグラウンドでさまざまな検討がされており、簡単な問題ではないという話である。決して素人は専門家に口を出すなということではなく、謙虚な気持ちで質問し、回答に対して理解してもらいたい。
(専門家の回答に対して信用できないとかいう発言は言語道断である。信用できないのならば、どこにおかしいと感じているのか話してくれないとコミュニケーションにならない)
◆補足 個人的におかしいと思っていること
個人的におかしいと思うのは太陽光発電の活用である。
太陽光発電を増やせば、火力や原子力を減らせてハッピーという話にはいろいろ突っ込みどころがあるのだが、電機系のエンジニアとして一番困るのが、電気の安定性である。太陽光発電は電圧変動が激しく、電力系統が不安定になる(電圧が動いたり、周波数が動いたりする)。また、あらゆるところを接続すると、短絡容量が増大し、大規模停電につながる可能性が高くなる。
上記の話は電機系のエンジニアでは常識だが、ニュースなどで議論されることはない。個人的な印象だが、軽い気持ちで太陽光発電を入れればいいという話が多い気がしている。
もちろん、エンジニアには説明責任があるという点は否定しない。しかし、系統の話をするには、交流回路を理解できなければいけないし、交流回路を理解するには複素平面を理解していなければいけない。そのような努力を放棄した人に対し、説明責任があるといわれても、心苦しいところがあるというのを理解してもらいたい。