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哲学のすすめ アリストテレス

◆概要

 アリストテレスが哲学について語った本。

 アリストテレスの著作のうち、唯一ほぼ復元されたもの。

 

◆テーマ

 哲学について以下の3点から哲学をすすめる

 ・哲学は良いものなのか

   人間は善を追求している

   判断の正しさ、理性を用い、善き善を観照できるものが哲学である。

   従い、あらゆる手段を尽くして哲学すべきである。

 ・哲学は身につけられるものなのか

   よいものは広く知られている。

   なぜならば、秩序だっているから。

   また、魂と身体について考えてみる。

   身体については身体術や医術といった学問がある。

   同様に、魂についても何らかの学問があり、学問である以上、容易かどうかは別として、習得できることは自明である。

 ・(身につけられるならば)容易に習得できるのか

   -哲学の誕生により技術知が発展した→皆容易に哲学を習得したということ。

   -皆が哲学に没頭している→楽しいものなので容易である。

   -哲学に必要なものがないので容易である。

 

◆ポイント

 ■とにかく哲学をおす。

 「哲学すべきである」という言葉を何度も使用する。

  1章、2章、3章、7章で利用されている。

  めっちゃ哲学をすすめている。

 ■3章に面白いことが書かれている。

 「われわれは哲学すべきであるか、それとも、生きることに別れを告げてこの世から立ち去るべきか、そのいずれかである」

 要するに、「哲学か、それとも死か」ということ。めちゃくちゃ哲学って大切。

 

◆感想

 本書は100ページにも満たない本であるが、とにかく難解である。

 アリストテレス全般がそうであるが、文章が切れていない、言葉が抽象的であるなど読みにくい要素の塊である。

 また、当時のギリシアの文化が分からない。善き生とは徳を追求することということが前提にある。本書はプラトンの影響を強く受けているという印象だが、プラトンの本を読んだ後でも難しい。

 この本を読むときには頭を使おう。例えば、メモを取ったり、音読したり。

 整理して考えながらでないと、読んだとは言えない本である。